LUNA SEA「LUNATIC FEST(ルナフェス)2018」のオープニングアクトに決定! 「LUNACY」って?
1月31日、「LUNATIC FEST(ルナフェス)2018」の第一弾発表としてアナウンスされたのは、
「LUNACY」による両日のオープニングアクトでした。
熱心なSLAVEの方以外は、「「LUNACY」ってなに? ルナシーはLUNA SEAちゃうの?」とお考えかもしれません。今回は、LUNACYの初歩的な知識についてお話します。
LUNACYというバンド
LUNACYは「狂気」を意味する英単語であり、JとINORANが人生で最初に組んだLUNA SEAの前身とも言えるバンドです。
1989年5月29日に現在のメンバーではじめてライブを行なって以降も、しばらくはこのバンド名で活動しています。
1990年11月24日に行われた 目黒ライブステーションでのワンマンライブで、「バンド名に深い意味を持たせたい」という意向により現在の「LUNA SEA」に改めることを発表しました。
終幕までLUNA SEAでの活動を続けましたが、2010年のREBOOT以降は初期の狂った荒々しいパフォーマンスを行う一種のファンサービスとして、LUNACY名義でのライブを度々行なっています。
『LUNACY』というアルバム
LUNA SEAは『LUNACY』というアルバムもリリースしています。
上述した流れを聞くと「初期のインディーズ時代に出したアルバムだろう」とお考えの方が多いかもしれませんが、実際にはメジャーになり、河村隆一をはじめとするメンバーのソロ活動を経て、絶大なポピュラリティを獲得した後の2000年のアルバムです。
そして、終幕前最後のアルバムでもあります。
インディーズ1stとして『LUNA SEA』というセルフタイトルのアルバムはリリースしていましたが、「LUNACY」はセルフタイトル以上に重要な意味を持つワード。
リリースするアルバムのタイトルが『LUNACY』になると知ったときに、何かを予感した方は多かったのではないでしょうか。
5人の方向性やエゴが衝突しあい、ギリギリのバランスで成り立ってきたLUNA SEAが限界に近づいていく最中で制作されたアルバムですが、
内容自体はマスターピースと呼ぶにふさわしい仕上がりになっています。
私は、未だにこの作品を最高傑作だと考えています。
LUNACYで予習しておくべき曲
「こぉ~くぉ~ろぉ~から~」でお馴染み「I for you」や河村隆一ソロでLUNA SEAを知った方には信じられないかもしれませんが、LUNA SEA(LUNACY)はもともとおどろおどろしい、狂ったバンドでした。
過去に行なわれたLUNACY名義のパフォーマンスでは当時を思わせるメイクとともに初期の曲を演奏しています(アルバムで言えば1st『LUNA SEA』と2nd『IMAGE』あたり)。
楽曲自体のクオリティは高いものの演奏される機会があまりないレアな曲ばかりなので、ご存知ない方は多いかもしれません。
「LUNATIC FEST 2018」のLUNACYのパフォーマンスでも演奏が予想される初期の曲をいくつかご紹介しましょう。
FATE
1stアルバム『LUNA SEA』の一曲目。初期のライブではオープニングナンバーとして演奏されていました。後期には、ドラム・ベースソロ後に他メンバーが合流する曲として用いられています。
1分半程度しかない非常に短い曲です。また、LUNA SEAでは数少ないハイスピードなツーバスの連打が入っている曲でもあります。
CHESS
1stアルバム『LUNA SEA』に収録。LUNA SEAの中では、とりわけ歌詞が物騒な曲です。ソロ活動で愛を歌ったり、オーザックのCMに出ていた青年も、かつては「死・ね・ば!」と叫んでいたのです。2015年のルナフェス初日、LUNACYの一曲目(つまりイベントで一番最初の曲)は、この「CHESS」でした。それを現地で聴いていた私は、「あぁ、この人達は本当に頭がおかしいんだ」と思ったものですwww
SHADE
1stアルバム『LUNA SEA』に収録。救われない雰囲気と、性急なリズムが印象的な一曲です。はじめて聴いたときは、スクウェアに進むリズムに対し3連を貫くギターソロが衝撃的でした。2015年のLUNATIC FESTではGLAYによるカバーが披露されましたね。TERUが爽やかに「この苦しみをくれてやる~」と歌っているのがなんかおかしかった記憶がwww その昔には、L’Arc~en~Cielがセッションでカバーしたという噂も……。
MECHANICAL DANCE
2ndアルバム『IMAGE』収録。初期にしてはストレートナロックナンバーです。LUNA SEA名義でも、たまーに演奏されますね。Jに見せ場を作る文化は、この曲で始まったと言えるかもしれません。
SERCH FOR RESON
2ndアルバム『IMAGE』収録。LUNACYの初期はスラッシュメタルの影響を受けていたと聞いたことがあります。実際に初期の曲の多くはスラッシーでスピーディーですが、この曲は非常にヘビーです。アルバムのツアー以来、滅多に演奏されていませんが、なぜか1999年に東京ドームで行われたGLAYとの2マンライブ「THE The Millennium Eve」では突如として演奏され、その恐ろしいギターリフがSLAVEだけではなく、GLAYファンをも震え上がらせたといいますwww おかしなことやっとる……。
SYMPTOM
2ndアルバム『IMAGE』収録。非常にテンポが速いことから、「LUNA SEA最狂の曲」という声も少なくありません。スタジオ版には、SUGIZOがピックアップをチェーンソーで切り刻んだという音が収録されています。
SUSPICIOUS
音源未収録。言ってみれば黒夢の「親愛なるDEATHMASK」や、DIR EN GREYの「残」のような、ハードコアナンバーですが、途中からリズムがなくなり、アルペジオと歌のみに変化するという超展開を迎えます。2015年のLUNATIC FESTでも演奏されました。ていうか、フェスで音源化されてない曲やるって、つくづくLUNATIC……。
NIGHTMERE
音源未収録。初期はこの曲がライブのラストナンバーでした。長らく演奏されていませんでしたが、2010年12月25日の黒服限定GIGでは本編ラストに登場。度肝を抜かれたSLAVEの多かったことでしょう。メンバーが一人ずつ消えていく演出が、超かっこいいです。
LUNACYを聴きたければコレ!
LUNACYとしてリリースされているアルバムはありませんが、
やはり、『LUNA SEA』『IMAGE』あたりが、「LUNACYの曲」としてカテゴライズされている曲が多く収録されていると思います。『LUNA SEA』は2011年にリテイク版が出てますよ。
あとはなんといっても
「黒服限定GIG~the Holy Night~」の映像でしょう。
CD未収録の「SUSPICIOUS」や「NITGHTMERE」も聴けます。
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個人的には2015年のLUNATIC FESTでLUNACYのパフォーマンスを見た瞬間に、「これはヤバいフェスになる!」という想いが一気に強くなりました。
ファンサービスの側面が強いLUNACYですが、他のバンド目当てに来る方にもぜひ見ていただきたいです。